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いじめ防止キャンペーンの一環として行われる講演会が行われました。
今回は、向谷地生良先生(北海道医療大学看護福祉学部臨床福祉学科教授)をお招きして「いじめについて考える」をテーマに行われました。
先生は、当事者研究の第一人者で、精神障害を抱える一たちの地域活動拠点「べてるの家」創設の中心となった人物。また、精神障害を抱えた人たちの地域活動拠点「べてるの家」創設の中心メンバーです。
講演では、精神障害をかかえる人にどのようなこと(幻覚、幻聴、身体の症状などがおきるのかといったことや、「べてるの家」が取材された際のTV番組も紹介されました。
教員にとっても生徒たちにとっても、想像していた講演内容と全く違い、新しい視点を与えられたような、思考が180度変わるような、そんな衝撃をくれた講演でした。
生徒たちの感想にも、「心の傷が身体や五感にまで影響を与えるなんて、驚いた。やっぱりいじめはよくないと思った。」「想像していた講演と全く違った。いじめはダメだよ、と言われるのかと思ったけどそうではなかった。」「心の傷が、幻聴をひきおこしたりするなんて、人間の身体ってすごい。」「自分の障害を笑いに変える、という取り組みがすごいいいなぁと思った。」など、心に残るものがあったようです。
教員にとっても学ぶことばかりの講演会でしたが、私にとっては「いじめのとらえ方」に関して、特に勉強になりました。いじめのはじまりは些細なことで、ちょっとしたことのコミュニケーションのズレだということや、いじめる側もいじめられる側も「生きにくさ」を抱えている、という見方が、とても腑に落ちるところがあり、その通りだなぁと改めて思いました。
生徒の「いじめられる側にも原因がある、という考えをどう思いますか?」という質問に対し、先生は「何が原因、というとらえかたはしない。いじめる側、いじめられる側どちらも含めて、いじめという現象がおきているととらえます。どちらにも、背景や要素があり、それをよく理解しないとならない。そして、両方とも’生きにくさ’を抱えているんだ、と考えます。」と答えていました。
本校生にも’生きにくさ’を抱えている生徒はいるはずですし、高校生はまだまだコミュニケーションのズレが生じやすい世代でもあります。色々な場面で生徒たち同士のコミュニケーションの場を設け、ズレや生きにくさ’に寄り添っていくことが、教員としての努めでありやりがいでもあるのだなぁと感じました。